第12号


会長の御挨拶

楽楽理会会長 前 和男

 楽楽理会は東京藝術大学音楽学部楽理科卒業生の親睦を目的として1965年に結成されました。以来、歳月は流れ、現在では会員の数も1,400名を優に超す大所帯になっています。2009年、楽理科創設60年を記念する総会が催されたことは、会員諸氏のご記憶にまだ新しいことでしょう。会員資格も従来、楽理科卒業生だけであったのに加え、大学院音楽文化学専攻、音楽学研究分野の学生・研究生、教員として在籍された方々をも含め、その目的も単なる親睦団体であるだけに留まらず、楽理科の発展を支援するという大きな命題も与えられました。この『楽楽理会通信』(2003年創刊)が第11号から電子媒体で発行されるようになったのも時代の流れと申せましょう。

 時代の劇的な変革とともに、楽楽理会も今後様々な挑戦を求められることになるでしょう。皆様のご健勝を祈り、従来と変わらぬご協力、ご支援をお願いする次第です。


初代会長 武石英夫さんを偲んで

武石英夫氏遺影
(2014.1.21 逝去)

 最近、私たちに衝撃が走ったのは前会長 武石英夫氏が本年1月、天に召されたという報せでした。武石氏は2003年から2009年までの7年に亘り、楽楽理会会長として規約の改定、総会開催、『楽楽理会通信』の創刊など精力的に任務を遂行されたことは皆様ご承知の通りです。また、イタリア留学中に集められたものを含むオペラ関係の貴重な蔵書やLPレコードなどを藝大附属図書館に寄贈してくださいました。今日では入手困難な書籍も多く、研究者にとって有難い資料になっていると伺っております。さらに、先年、会員の皆様に楽楽理会への経済的支援をお願いした際には、いち早く温かく大きなご好意を寄せて下さいました。いまは武石前会長への深甚な感謝の気持ちをお伝えし、安らかな永遠のお眠りへの祈りを捧げたいと存じます。