楽楽理会第3回総会および懇親会報告
2014年10月11日(土)、楽楽理会の第3回総会(16:00~16:40)が東京藝術大学5-109教室にて開催されました。総会には39名が出席し、議長に選出された阪井恵さんの進行で、楽楽理会規約に従って、5年間にわたり会長を務められた前和男氏の退任と、加納民夫氏の新会長就任が承認されました。同時に、副会長についても、片山千佳子氏から土田英三郎氏への交代が承認されました。その後、楽楽理会の現状報告と会計報告がなされ、楽理科の現状についても手短に報告がありました。
総会につづいて、大学会館キャッスル食堂で、約100名が出席して懇親会(17:00~19:30)が行われました。土田新副会長の司会により、前和男氏からのご挨拶、角倉一朗先生のご発声での乾杯の後、加納新会長より前任の前氏に花束贈呈がなされ、新会長のスピーチがありました。会場は入会したての若い現役学生・大学院生の参加もあって賑わい、5年に一度の懇親会ならではの世代を超えた歓談の声がそちこちに響きました。
就任のごあいさつ
楽楽理会会長 加納 民夫
楽楽理会前会長の前和男さんの後任をお受けすることになりました加納民夫です。昨年10月の楽楽理会総会でご承認いただきながら、半年も経てごあいさつさせていただきますことをお許しください。
このお話を最初にいただいたとき私は楽楽理会の会則を全く知らず、音楽学の学問の世界の第一線で活躍される方が会長をなさるべきと思いお断りしたのですが、これは音楽の現場で仕事をしている人が就任するのが通例だと説得され、お引き受けすることとしました。浅学非才の身ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
私は1965(昭和40)年に楽理科に入学しました。楽楽理会はこの年に誕生、今年で50年、半世紀を迎えました。名称は吉川英史先生が能《翁》の冒頭で唱えられる言葉から着想、命名されたと記憶しています。私はそれからの学生生活を満喫しましたが、図書館に通って楽書を紐解き、机に向かって論文を書くことが苦手だったため、卒業後は音楽現場の仕事をしたいと思いNHKに就職、音楽番組の制作を行ってきました。私が入局した1970年はアジアで初の日本万国博覧会が大阪で開催され、多くの素晴らしい演奏家たちが来日しました。カラヤン、リヒテルをはじめ、綺羅星のごとくの顔ぶれです。以来、NHKが招聘したイタリア歌劇団の舞台監督や芥川也寸志さんと黒柳徹子さん出演の人気番組「音楽の広場」の演出などを担当、退職後はNHK交響楽団で指揮者選定や公演計画立案を行いました。一貫して多くの音楽家たちと音楽の現場で仕事をすることができたのは、今でもたいへんありがたい事だったと思っています。
このところ世の中では産学協同の考え方が推進され、大学でも「稼ぐ」ことが求められています。その「稼ぎ」によって大学運営予算が左右されるということも言われています。もちろん学業優先ではありますが、音楽学が社会の役に立つことも広く知られるといいのではないでしょうか。その一助として同窓のみなさんのリレーションシップとご理解とが必要不可欠のように思います。楽楽理会の仲間のみなさんで、若い人たちの産学協同の取り組みをバックアップしていくことができたら素晴らしいと思っています。
楽楽理会が、そうした親睦団体としてますます発展していくことを願って止みません。